2026/05/27 20:40

ゲイブ・ブラウン『土を育てる』には、「土の健康の原則」として「①土をかき乱さない」「②土を覆う」「③多様性を高める」「④土の中に『生きた根』を保つ」が挙げられています。
この原則のカギであり、最初のステップとなるのがカバークロップ(被覆作物)なのです。

カバークロップは地中の炭素源となることで、それをエサとする微生物が活性化します。
それにより、化成肥料をあたえなくても、植物は微生物のはたらきで成長が速くなり、作物の収量が上がります。
日本ではカバークロップが土を豊かにする効果にフォーカスして、「緑肥」とよばれることが多いかもしれません。

「カバークロップ」と一口に言っても、非常にたくさんの種類があり、種まき時期も異なります。
まずは、自分たちが土壌をどのように改善したいのか、目的に応じて品種を選ぶ必要があります。
また、基本的に農作物を育てている期間はカバークロップの種をまくことはできません。
農作物の収穫が終わったら、次の作付けまでの期間にカバークロップを育て、刈り取らなくてはなりません。
その農閑期にまける種は何なのか、栽培期間によって品種が絞られてきます。
そんなことを考えながら、2025年夏、いつごろ何の種をまくのかを決めていきました。

杉並スマートファームが借り受けている土地は以前、慣行農法でサツマイモが線虫被害により全滅したことがあると聞いています。
病虫害抑制のため、まずは夏野菜の跡地にアブラナ科のシロガラシを種まきしました。
次に、土壌への窒素供給を期待して、定番ではありますが、マメ科のヘアリーベッチ(2025年秋)、レッドクローバー、クリムソンクローバー(翌年春)の種をまきました。
そして、土壌の保水性や有機物供給、雑草防止のために、イネ科のライ麦、エンバク(2025年秋)、チモシー(翌年春)の種をまきました。

カバークロップは通常の作付けとは違うので、整った畝があるわけではなく、一つの区画に様々な品種が混在することになります。
圃場は「本当にこれでいいのかなー?」と思ってしまうくらい、モサモサとしています。
でも、これがゲイブ・ブラウンの言う「③多様性を高める」ということなんでしょう(たぶん)。
マメ科、イネ科、広葉作物など、異なる機能群の植物を増やすことによって、植物の健康状態が向上し、収量が向上するという研究結果が出ています。

そんなわけで、昨年秋から圃場を覆っていたカバークロップ。
5月にはハンマーナイフモアで地上部が刈り取られ、今は緑肥マルチの状態となっています。
そして、人間の目には見えませんが、地中では微生物たちが植物に栄養をあたえるべく、せっせとはたらいています。